麦焼酎をこぼして
北大路京介


君が抱かれているあいだ
僕は麦焼酎をこぼして
歳時記がびしょ濡れだ
ティッシュが酒を吸収していく

桜の時期に夏の句を詠み
紅葉の時期に冬を詠んでいる
歳時記が乾くまで
ギターでもいじろうか

ねぇ 君は今も爪をたてているのだろうか
男は痛みを我慢しているのだろうか

誰に聞けばいい なんのために生きているのか
誰に聞けばいい なぜ死んじゃいけないのか

喉がかれるまで無責任なラブソングを唄って眠る
誰に贈るでもない歌で叫んで眠る

誰に聞けばいい なんのために生きているのか
誰に聞けばいい なぜ死んじゃいけないのか


自由詩 麦焼酎をこぼして Copyright 北大路京介 2015-04-07 13:55:32
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