星の船から見る夢は
クロヱ

あたたかににきらめく 光の雲が真下に流れ 金の流砂がせせらぐ 運河を眺めていた
いつからここに居るのか 忘れてしまうほどの長い月日を 星に結わえて 数えてきた

「冒険をして来たよ」

いくつもの山々を超え 果てしなく続く平原を駆けた
空よりも高い塔を上り 海よりも深い洞穴を抜けた
幾億も 挫けては倒れ 助けられては立ち上がってきた
それと同じ数だけの朝と夜を迎え 繋いでは離してきた

星が流れる

「だれの願いだろう いくつ目の願いだろう」

遠く 瞬いては落ちてまわる
線を描き 光ってはなくなる

これだけの願いが廻っている
そして 還っていくよ

ただひとつ見える この広い 素晴らしい世界


自由詩 星の船から見る夢は Copyright クロヱ 2015-04-05 22:56:39
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