ひとり 白線
木立 悟
紙の間の灯より明るい紙の檻
夜と水さげすみの目をひたす闇
花は奥ほのおに倒れる家の奥
其処に無く囁くように其処に在り
ぶつぶつと夜の階段のぼる泡
雨が打つ夜の水辺に集う猫
夜になり結ぶ手の無い人とゆく
火は何処へ巡り巡って己が目へ
白い線たぐり寄せては径ゆく背
川柳
ひとり 白線
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木立 悟
2015-04-03 10:02:18
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