桜の身
瑞海



白い箱の中に眠る君は
桜の化身

雨に濡れて
君がひらひら
落ちてゆく

白い箱の下には
僕がいて
僕もひらひら
落ちてゆく

あらゆるところ
あらゆるときで
君は姿を変えてゆく

乱れ
咲き
垂れ
舞い
散る

生きにくい世の中
僕からだけ
息をもらって 生きろ
そうしないと
もう君は消えてしまうでしょう

そうでしか 生きられない
僕でしか 僕の中でしか

そうやって次の春を待つ
君は桜
腿に花弁
爪先に滴
目尻に華




自由詩 桜の身 Copyright 瑞海 2015-04-02 01:32:25
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