三月の最後に
日々野いずる

陽射しの暖かさを受け
心の冬が溶けていく
三月、冬と春の間
その月を一喜一憂し
過ごした時をまた来年も繰り返すのだろうが
しかし
この三月は二度と戻らない
感傷的になり
冬に別れを告げようとして
公園まで来た

そこには冬の気配などどこにもなく
桜は咲き、鶯は鳴き
冷たさの名残は一掃されていて
別れをいうのも遅すぎる春

春、新緑と眩しい陽射し
その陽射しを目にし
ベンチに座る
ヒヤリとした冷たさ
そこにやっと名残を見つけ
冬との別れとした



お題:3月の最後


自由詩 三月の最後に Copyright 日々野いずる 2015-03-31 19:12:56
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