邪魔だ！


服が邪魔だ！
友達が邪魔だ！
何かを食べなきゃすぐ騒ぎ出す
この胃袋が邪魔だ！
東京の人混み
正義感
優しさ　いたわり
そして何よりハンカチとティッシュ
俺を人間らしくする
何もかもが邪魔だ！


地球にたまたまこぼれた一滴のいのちにとって
必要なものはそれほど多くはないはずなのに
海から陸へ
四本足から二本足へ
空へと近づいていくたびに
ますます窮屈になるとはどうしたことだ
この調子では１００万年後
人が天使になる頃には
思想や倫理でいっぱいになって
墜落してしまうんじゃないのか
そうなっても人間は
ハンカチとティッシュを手放せないんじゃないのか
小さい頃の
ママの言いつけを守り続けて