太陽の椅子
草野大悟2

天照大神のころから決まっている。
だれもがクジラを愛してるのと
おなじ意味で。

あまの岩戸のうちがわには
おおくの光がみちていた はずだ し
そとで
絶望的な饗宴をくりひろげる者たちにも
そんなことは
じゅうぶんすぎるほど
わかっていた はずだ。

体だけ が
筋肉だけ で
岩を押し広げるお節介を施したとき
崩壊したものを
クジラは知っている。

奴は その意味すら理解できない程度の
頭脳の持ち主で
みんなから
いつも
力 だけ を
重宝されて
嘲笑されていたことを。

そのとき
とつぜん消えてしまった
太陽の座る椅子を探して
力は 今日も
かれの青空を削りつづける。


自由詩 太陽の椅子 Copyright 草野大悟2 2015-03-25 22:07:18
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