朗らかな人
アラガイs


あれから
もう一年くらいになるだろうか
久しぶりにレジでみたその女性の
艶やかな微肉はとれていた
(少し お痩せになられましたね )
聞き取り難かったのだろうか
もう一度言ってみた
不意をつかれた彼女は少しためらい
( よく 覚えていらっしゃいますね )
と、桜色の笑みを浮かべながらはっきりと応えてくれた 。

小さな喜びは空を弾き
雲は僕の歩んできた道のりを書き消してくれる

春はいつも思いがけずにあらわれ去ってゆく
指先に靡く帰り道
陽の風もまた
明日へと続くのだろう
そんな
一瞬の出来事だった 。








自由詩 朗らかな人 Copyright アラガイs 2015-03-25 18:10:05
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