朗らかな人
アラガイs
あれから
もう一年くらいになるだろうか
久しぶりにレジでみたその女性の
艶やかな微肉はとれていた
(少し お痩せになられましたね )
聞き取り難かったのだろうか
もう一度言ってみた
不意をつかれた彼女は少しためらい
( よく 覚えていらっしゃいますね )
と、桜色の笑みを浮かべながらはっきりと応えてくれた 。
小さな喜びは空を弾き
雲は僕の歩んできた道のりを書き消してくれる
春はいつも思いがけずにあらわれ去ってゆく
指先に靡く帰り道
陽の風もまた
明日へと続くのだろう
そんな
一瞬の出来事だった 。