卒業
黒木アン
消えて去る路と知らず
ある日と変わりなく
嗚呼
鮮やかに君が行く
小さな声にも手にも
既に懐かしむと知らず
嗚呼
朝陽をうけて君が行ってしまう
母はいつの間にか
太陽に近づいていく背を
留めてしまいたいと…
君の足音となり
君の匂いとなり
君の音となった
時の精霊たちに
祝いの送りを
交錯を刻んだ
恩の送りを
麗らかな
春がきてしまいました
嗚呼
君の巣立ち時
雪柳の揺らめきが
桜蕾を膨らましています
それでいいのよ
それでいいのよと
自由詩
卒業
Copyright
黒木アン
2015-03-25 07:47:46