花粉症
為平 澪

杉の花粉が飛ぶ頃に
人も鞄をぶら下げて
何処へいくのか 東へ西へ

人混みを通過していく
訛りや方言を
マスクで覆って
笑って ハクション

新人の 媚びた上目使いに
上司の イライラ
管理職の中間位のストレスが
三種三様 口から鼻から
飛び回る

大勢の戸惑いを 乗せた電車が
細く長く 北へ南へ

鼻から水が 口からくしゃみが
流れて吐かれて 花粉症

プラットホームに立つ 私
上りと下りを隔てて 青年
彼が漏らした くしゃみは多分
私が何時しか ひとこと多い花粉症

花咲く春に 誰かが何処かで 
鼻をすすり 目を赤らめて
必死に仕事にしがみつく
小さな国の 大きなくしゃみ


自由詩 花粉症 Copyright 為平 澪 2015-03-24 06:51:11
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