モナリザの目
服部 剛
モナリザの目は、妊婦の目。
腹に掌をそっとあて
――遠い明日をみつめるような
――胎内の子を、見守るような
モナリザの目は、母なる目。
絵画は幾世代も旅をして
今日も世界の何処かで、出逢う
人々の心象に灼きついて
(声無き声は…人に囁き)
母なる者のまなざしは
静かに時を、射抜くでしょう。
永遠
(
とわ
)
に消え去ることもなく
今も空白の額縁「 」から
あなたをじっと見守る――モナリザの目。
自由詩
モナリザの目
Copyright
服部 剛
2015-03-23 19:11:53
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