つばき
灰泥軽茶
つばきの花が
ぽとりぽとりと落ちている
鮮やかな色
まわりの空気がしんとしている
ひとつ大事に掌に乗せ
匂いを吸い込むと
ふと綺麗なうなじが
日傘をさして横切ったような
滲む掌から消えていくつばき
くるりと振り向けば
つばきが落ちている
そう言って女の子が
指さしながら笑っている
自由詩
つばき
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灰泥軽茶
2015-03-22 23:15:56
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