放蕩息子
ヒヤシンス
私を旅へと誘う郷愁が運河沿いの私の星空へ舞い戻ってきた。
存在価値などをぶら下げているそいつは
ひどく私を非難した。
旅に出ろよ、こうもりが私の頭上を飛んでいる。
マイルスのトランペットがもどかしく響く。
運河の水は濁っている。まるで私の頭のようだ。
きっとまた帰ってくる。
そう言い残して出て行った私の半身はどこへ行ったか。
存在価値が絵画になる。
存在価値が音楽になる。
存在価値が絶対的体積で私に積もる。
私の半身よ。戻って来い。
そして報告せよ。
お前の見たもの聴いたもの感じたもの全てを私に教えておくれ。