一年
葉leaf
輝くものと輝かないものが出会って
互いに氷として融け合った一年だった
ほんとうのことはすべて
偉大な虚構から滑り落ちた一年だった
どこまで伸びていくか分からない
指先を丁寧に繕った一年だった
咲くということが裂くということであり
割くということでもあった一年だった
得たもの育んだもののかげでは
死んだもの失ったものが雫となった一年だった
はるか遠くを見渡すために
目の前の小さな虫たちを観察した一年だった
言葉にならないものばかりが
言葉になろうとして真実を失っていった一年だった