疲労直視
朝焼彩茜色
淀んでいる
流せない過去で出来上がった今を懐かしさが気味悪く
吠えている
静かに 泣き方を知らない喫煙席の隅で
水っぽい香水ぷんぷんさせて
むせている
心を無視して向き合って半分だけ削られた今しか生きていない
つまらない人生を弾き飛ばすことなく拾った
自分にお人好しな
軟弱な溜息を天へ送った罪を償うように 深呼吸を促す
いいよ どうであれ何であれ 今に帰って来れるのであれば
もう闇から足を洗ったんだ
あそこにガラスのヒール ピンヒールを忘れたけれど
もうヒールで走れないし
淀んでいる
応えてそのままの空の模様を見せている
心地よい泣き声が目を覚ますまで 分煙の境目で
フィリップモリスの箱が阿呆みたいに口を開けている