疲労直視
朝焼彩茜色

淀んでいる
流せない過去で出来上がった今を懐かしさが気味悪く
吠えている

静かに 泣き方を知らない喫煙席の隅で
水っぽい香水ぷんぷんさせて
むせている

心を無視して向き合って半分だけ削られた今しか生きていない
つまらない人生を弾き飛ばすことなく拾った
自分にお人好しな 
軟弱な溜息を天へ送った罪を償うように 深呼吸を促す

いいよ どうであれ何であれ 今に帰って来れるのであれば
もう闇から足を洗ったんだ 
あそこにガラスのヒール ピンヒールを忘れたけれど
もうヒールで走れないし

淀んでいる
応えてそのままの空の模様を見せている 
心地よい泣き声が目を覚ますまで 分煙の境目で
フィリップモリスの箱が阿呆みたいに口を開けている


自由詩 疲労直視 Copyright 朝焼彩茜色 2015-03-16 16:57:50
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