私は冬
Lucy

黄色い西日が
うっすらと
家々の窓に手をかざす頃

いよいよ濃くなる
鉛色の空の下
次第に風に削られていく
私は冬

傷ついては修復し
和解しては
なお打ち倒され
ざらざらに荒れた
私の皮膚

踏まれて割れる
人の足跡を刻んだ氷
陽射しに溶け
夕刻にはまた凍てついて
粉々に砕かれる


つき通した嘘
隠しおおせた過ち
全ての汚れを引き受けて
黒いアスファルトに
血を流しながら消えていく

さようなら
かつては真っ白で
柔らかかった
私の心





自由詩 私は冬 Copyright Lucy 2015-03-11 18:57:54
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