難解な朝
葉leaf
朝は難解である
アスファルトの奇異な色彩
人気のない誇張された静寂
待合室は不自然に明るく人を拒む
僕は始発電車に乗ろうと
駅のホームに立っているが
朝は難解である
時間は動くのをやめたかのよう
全てが終わった後の厳粛さに包まれ
光は目のあらぬところを貫く
これから仕事であり
僕はスケジュールを立てるが
朝は難解である
どこか狭間にはまり込んでしまった世界
新しいがゆえに言語化されていない風景
全てが虚構のようにみずみずしい
僕は朝を反射する
僕は単純な原理である
朝はこだまを返してくる
ずっと難解なままでいさせてくれと
それにあなたもひどく難解だと
そうこだまを返してくる
互いに難解であり続けることで
僕と朝との対話は尽きることがない
朝は本当はひどく単純だ
僕が単純であるのとまったく同じ理由で