エスキス3〜四季
宣井龍人
なぜだか私だけの四季を走っています。
それもたった一回しか無いのです。
春の始まりは夢との区別がつきません。
春の終わりは青く着色などされません。
夏は働き詰めでお盆休みなど無いのです。
同時に新たな四季の始まりを知ります。
秋は季節にぱさぱさ白髪が交じります。
思い出という言葉を嫌々背負っていきます。
そして今は、
ただただ見渡す限り白い冬です。
髪も耳も眼も鼻も口も真っ白です。
曲がった腰も支える杖も真っ白です。
さてさて温かい御茶でも飲んで、
春を呼ぶ山スキーでも楽しみますか…。