思い出症候群
捨我

身を揺られ目を瞑る
錆びれたバス停を目指せ
あの町へ帰ろう

違っていく俺
変わりはしない風景
ただ少しずつ消えていくんだ
はじめから無かったみたいに

廃線のトンネルも
神社の階段も
小川の橋も
いまや記憶の残像
白いワンピース似合う少女
思い出せないその表情

あの頃のまま少女が言う
「またね」の約束
いつになれば俺は果たせる

終着のバス
俺は目を開く


自由詩 思い出症候群 Copyright 捨我 2015-03-08 20:05:50
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