靴
梅昆布茶
はき古した靴を空に放って風を聴く
はだかの馬が雲となって駈ける野に花をさがす
ひかりを混ぜ合わせていろをつくる
まだ名前のないいろを
いつももちあるいている心のスケッチブックに
今日も落書きをしてちょっとやすらぐ
ふといつもと違った歩き方をしている自分に気づき
これでもいいんじゃないかと思ったりもする
本屋で新刊書の立ち読みをして読み切れないのに図書館で本を借り
それでもきっとまた借りにゆく
いつかあたらしい靴を買わねばならない
それがはき古した靴になるまでは
それまでは歩きつづけられそうな気がするんだ