蒼い鯉
藤鈴呼



寂れた公園に浮かぶシーソー
乗る者が居ない夕暮れが
物悲しさを 増長させるようにも思え

長い影が ひっそりと揺れる様は
不吉な予感にも思え
そっと 目を伏せるけれども

静かな影は
もしかしたら
放置して欲しいのだと 望んでる

影踏みの子供達
はしゃぐ声と 踊る身体など 要らないのだと

ひっそりと ゆっくりと
揺れているかのようにも 思える

静かな夕暮れ
大きな階段が 照らされ

子供の日を 祝うかのように
鯉のぼりが 上がった

紅い恋 淡い恋 哀しかった濃い想いまで
全て 忘れてしまするかのような 色合いで

今しがた 消えてしまった 
美しき青さを呈した鯉ばかりが 揺れる

人々の 足元で 揺れるよ

そうか 君は
男の子 だったんだね

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自由詩 蒼い鯉 Copyright 藤鈴呼 2015-03-06 16:50:25
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