要らない人間
花形新次

要らない人間に
選ばれると
赤い色の車が
家の前に止まり
赤い服を着た
屈強な男が数人
家に乗り込んできて
要らない人間を
力ずくで連れだそうとする
要らない人間は
何のことだか分からず
抵抗し、家族に助けを求めるが
要らない人間に選んだのは
当の家族だから
もちろん助けられることもなく
無視される
要らない人間は
そんな家族に怨み言を叫びながら
赤い車で
どこかへ行ったまま
二度と帰ってこない


自由詩 要らない人間 Copyright 花形新次 2015-03-02 23:58:39
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