憐憫
草野春心



  長い雨でたわんだ箱に注がれ
  わたしたちの影は混合される
  飛沫は獰猛なひかりを二割ほどふくみ
  素っ気ない白衣などに 付着する 未練がましく
  そして だれもが わたしたちを哀れむだろうが
  わたしたちもまた わたしたちを哀れむだろう
  それだけは 忘れることができない どうあっても




自由詩 憐憫 Copyright 草野春心 2015-03-01 12:20:45
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