永遠という名のバス
そよ風


君がみていた私
私がみていた君

それぞれ存在していたようで
輪郭のない者たち

今はもう触れる事はないすべて

知らない街で
バスを待ったけど
僕らの目的地に行くバスはこない

現実に掴めるものは穢れ
見えない物に
時間を費やし

静かに眠っている間に
2人は離れた

手にしたものは何もない
君の名前すら思い出せない

君のうなじがくるくる巻き毛で
首筋からいつも甘い香りがした
子猫みたいに私を撫でるから
頬が、貴方の手の皮の厚みを覚えている
頬を、触られると左の頬が濡れる

今日もまた
知らない街で
バスを待っている

14番のバスがきた
移民でいっぱいだった
ビーチサンダルの黒い足に
圧倒されて
白い足はバスに乗るステップを忘れる

6番のバスは
誰1人乗っていない

3番のバスは止まらなかった

そうしていると日がくれて
今日が終わる

夕日に照らされて
街路樹の木に
黄色い花が咲いている

私はまだ眠っている
大きく廻る何かをみている




自由詩 永遠という名のバス Copyright そよ風 2015-02-28 17:49:52
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