靴を捨てる日
そらの珊瑚

紙箱に仕舞われた
細いヒールの靴を
何十年かぶりに取り出す
一歩
二歩
あまりの痛さに
これはもう私の靴ではないと
知る
おそらく知っていたけど
今日、知ったことにする

おそろしく窮屈で
アブナゲな靴を
涼しい顔して履けていたんだなあ
若さ、とは
そういうことだったんだ





自由詩 靴を捨てる日 Copyright そらの珊瑚 2015-02-28 13:16:18
notebook Home