夜の町で
葉leaf
余白だらけの夜に
私の存在は余白だらけ
余白を埋めるように侵入してくる街並みは
全て雨のように回避される
夜空の闇はひたすら淡く
道行く人もひたすら遠く
私は過去の袋小路に迷い込んでしまった
私が赦すまでもなくすべては赦され
私が救うまでもなくすべては救われ
世の中を巡る挨拶は私を置いてきぼりにする
受け取る物も与える物もなく
ただ歩いている身体に
帰る先はあっても
本当に還る先はない
私は夜に投影される
影そのものとして
不在そのものとして
夜そのものとして
自由詩
夜の町で
Copyright
葉leaf
2015-02-25 04:21:17
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