ふるえ ひかり
木立 悟
耳で辿る
穂に隠された洞の入口
別れのような仕草が灯る
風を迎える羽も一緒に
重さも無く
積もる連なり
こぼすことなく
こぼれるあかり
浪の指揮者が浪に呑まれ
つづいてきたものが途切れるとき
常にそこに居たものたちが
ある日ふいに消え去るとき
午後は緑 午後は金
重なることで見えなくなり
はざまに虹を巡らせながら
ところどころ破けた姿を横たえる
また雨が来る 雨が来る
言葉の子も雪の子も
じっと目をつむり
滴の骨のふるえを聴く
花のなかに眠る頭
散る白に染まる石の白
自らの羽を数えながら
姿のない浪は繰り返し来る
疲れることも
尽きることもなく呼びつづけている
何のためなのかわからぬまま
透明は透明を集めつづける