詩学園の頃
朝焼彩茜色

詩学園は人工惑星にあった
右手に夜で
左手に光があった

脳と繋がれず魂のみで生きていた
詩学園に属していた僕たちは仲良しの友だった

詩薀蓄の授業は必須科目だったから仕方のない潰し時間だった
夜と光の境目にダイブする空想を七色に明けていた貴重な時間

ヒヤシンスは優れた詩人だったけれど
人工惑星の指揮室にいつもこもりっぱなしだった
そこから滅んだ地球という星を見ていた
なぜだか涙が出ると言っていた
僕には理解不可解だった
それより詩を書けよと呟いたのを覚えている
今思えば余計なお世話だった

詩学園に所属された経緯は分からない
倒置法の方が大きな足音のようなリズムがあると
反復するまでもない詩を描く理由
様々な授業があった
あまりもう覚えていない

指揮室のヒヤシンスは滅んだ地球という天然の星を見て
「平和」の詩ばかり描き出した

今となって漸くその真髄が空の彼方から浮かんでくる

詩学園に属された僕たちは仲良しの友だった

君が生まれた日にその頃を思い出す



※ヒヤシンスさんへ
 お誕生日おめでとうございます去年のリベンジ詩です。
 障ったら申し訳ございません。


自由詩 詩学園の頃 Copyright 朝焼彩茜色 2015-02-19 13:00:06
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