黄色い夜
加藤 郁
黒煙に踊る鳩の羽 ライトに射抜かれ
狙うガラスの破片 ギラリとゆきずり
踏まれ踏まれたガム 黒く鈍く
怒涛の雑踏 足足足顔顔顔
放置自転車の屠殺場 影に
猫
ペンキの剥がれた看板 めくれめくれ錆びて錆びて
酔ッパライの蛇行 どろり
引きずられたゴミ箱 苦汁を撒き
歩道わきの腐水 ふやけた吸殻 死に浮かぶ
三日月。
自由詩
黄色い夜
Copyright
加藤 郁
2015-02-17 11:09:02