ロバンティック・ブルー
太郎冠者

陥没する時間に
たばこを
吸った

天井は穴だらけで
二階から漏れる
ロバの涙が
目や頬や首のあたりに
ぽつぽつあたる

しけった
たばこにはもう
火がつかない

二階に文句をたれにいくと
ロバは大泣きしたんだろうか
げっそりしていて
怒りが削げた

部屋に上がると
尻尾でダシをとったという
野菜スープが
ぽつねんとある

つまらんし
一つ猥談をしてやったら
鞍をくれた

それからはよく一対で旅にでる


自由詩 ロバンティック・ブルー Copyright 太郎冠者 2005-02-05 21:26:27
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