朝
中原馨

 夜暗の静寂しじまを木がさらい
 あしたの歯車が回りだす
 小鳥のうたにくるまれたなら
 いのちは深く息を吸う
 一夜ひとよを越えて去る星に
 またねと花が笑いかけた
 
 さあ あしたのはじまりだ

 薄紅をさす空を見上げ
 草木が
 虫が
 獣が
 人が
 まっさらなカンバスを彩り
 ひとかけら
 またひとかけら
 あしたの音色をかさねていく

 さあ あしたのはじまりだ


自由詩   朝 Copyright 中原馨 2015-02-15 17:25:40
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