パズル
あおい満月


無価値だと思っていた自分が、
酷く重い、
みえないものを
背負っていると気がついた。
それでも両足は、
シャベルカーが崩している廃墟の砂漠で
呆然と立ち尽くしているだけ。

無価値だと思っていたのに。
川原の石や、
海の石を集めて
笑っていた子どもだったのに。

背中から急に翼がもげて、
飛べなくなって
背中は街のなかをさまよう。
街にはペットボトルに入った水が
三桁の数字で売られていて、
身体に必要なものまでもに代価が付けられている。

大人になることは、
価値を身につけていくことなのだ。
ノートパソコンを閉じても、

ばらばらと一瞬が砕けていく。
まるでそれは、
現実の肉体のパズルだ。


自由詩 パズル Copyright あおい満月 2015-02-15 11:40:03
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