れいぞくのれいぞく
竹森

穏やかな午後
宮殿の門柱に降り立った鳥は
自らの彫像と目を合わせた瞬間
彼に 青空の隷属権を奪われた事を悟った

鳥は知った
飛び立つ事も 飛び立たぬ事もまた
もはや 許されてはいないのだと
あらゆる動作は つまるところ
青空との衝突を 意味していたから

(そうして 鳥の目の黒色が 透明になったのち
(空に 水色へと染め上げられていくのは 早かった

子供がやってきて 背伸びをし
彫像の瞳に枝を刺すが 刺さらない
そうやって鳥の瞳へと仕向けられた枝先が
ふたつの絶叫を 導き出した

鳥と
子供の
それ

どちらの方が
大きかっただろう


自由詩 れいぞくのれいぞく Copyright 竹森 2015-02-12 00:02:31
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