風変わりな女の子
灰泥軽茶
小学生になって集団登校
その中に喋らない女の子
うちでは喋るらしいから
帽子を引っぱたり
ランドセルを押したり
ちょっかいをだすと
すごく眉をへの字にして
嫌な顔するけれど何も喋らない
或る日その女の子の弟と
ふとした喧嘩で泣かしてしまう
家に帰ると母にとても怒られる
なんでもその女の子からの電話
それからも
ちょっかいは出し続けたけれど
引っ越すことになって
結局声は聴こえずじまい
それから時はたち
そんなこともすっかり忘れ高校生
偶然その女の子の家の前を通り過ぎ
そういえば昔とちらりと横を向くと
声は聴こえなかったが
少しへの字顔した
彼女は笑って家族と喋っていたので
私も少しへの字顔になって
なんだろうな
たぶんだろうな
その女の子が好きだったのかなと困惑した