ラピスラズリを砕いてみたい
ユッカ

わたくしという ひとつの石のなかを
いくつもの 星や雲が
とおりすぎていきますので
それを毎朝 ながめているだけで
胸がいっぱいになってしまうんです





ラピスラズリを砕いてみても
あの空のような春は手にはいらないけれど
ラピスラズリを砕いたら
わたしにも空が描けるかな

つめたい風の入らないところで
いつも外ばかりながめているから
綺麗なところはよく見える

わたしのため息は
いつも白すぎるので

指紋がついた数だけ
丁寧にぬぐわれ
粗末な箱にしまわれたまま
一度も風にふれることのない
ラピスラズリを砕いてみたい


自由詩 ラピスラズリを砕いてみたい Copyright ユッカ 2015-02-11 23:20:59
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