三角
瑞海
壊れてしまった南京錠と
僕は向き合っていました
狭い煉瓦造りのアトリエで
それは遠くにあったもので
時が近づけました
掌には
トンカチとドライバと
これはこれは大変だ
可哀想に、ぐちゃぐちゃだ
直してあげようね
少し痛むかもね
涙脆いね 冬だからね
冷たい部品が
暖かさに包まれて
同化してゆく君を見る
僕はどうかしているな
ある日
窓に張り付いた鍵は
錠と僕を見つめていた
窓から救い出して
そっと手にとった時
鍵は手をすり抜け
錠の穴と
ぴったり
かちっと音を立てて
繋がった
金の粉になって
2つ(1つ)は消え
僕の孤独が決定した