冬
瑞海
白いタイルに
赤いハイヒール
君はそれを眺めて
気持ち悪いね、と笑う
靄に伸びる拳銃を
差し出されて
殺してしまった花を
覚えている人はいない
君は僕を睨んだ
嘔吐した 朝
夢にうなされて
勘付いた気持ちを
まだ言えない
知恵の輪を絡めて
動けないようにしたら
池が凍る音がする
君の目玉の浮かぶ池
手と手を合わして
呪文を唱えて
新しい君を待っている
芽吹くのを待っている
99年目の冬
自由詩
冬
Copyright
瑞海
2015-02-10 21:17:02