アンナちゃん
瑞海

アンナちゃん

アンナちゃんは
朝は真っ白です
頬だけりんご飴で
とっても美味しそうです

アンナちゃんは
時々桃色になります
初摘みの桃です
すれ違う香りに
顔がほころびます

アンナちゃんは
昨日青色でした
階段から落ちた拍子に
左足首を捻挫したようです

この前のアンナちゃんは
透明でした
手を掴めない
透明でした

僕の胸からすり抜けてゆく
風になりました

アンナちゃんは
空を目一杯抱いて
笑いました

涙を流して笑いました
美しくて僕も泣きました

君は泣かなくていいよ

と言ってアンナちゃんは




になりました




自由詩 アンナちゃん Copyright 瑞海 2015-02-08 22:10:46
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