アンナちゃん
瑞海
アンナちゃん
アンナちゃんは
朝は真っ白です
頬だけりんご飴で
とっても美味しそうです
アンナちゃんは
時々桃色になります
初摘みの桃です
すれ違う香りに
顔がほころびます
アンナちゃんは
昨日青色でした
階段から落ちた拍子に
左足首を捻挫したようです
この前のアンナちゃんは
透明でした
手を掴めない
透明でした
僕の胸からすり抜けてゆく
風になりました
アンナちゃんは
空を目一杯抱いて
笑いました
涙を流して笑いました
美しくて僕も泣きました
君は泣かなくていいよ
と言ってアンナちゃんは
になりました