ごはん。
梓ゆい
ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。
ダイニングテーブルに、私ひとり。
ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。
時刻は、夜20;00過ぎ。
硬くなった肉を卵につけて
皆で食べたすき焼きを
今は一人で食べている。
「何か、取ろうか?」
返答の無い向かいの席
ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。
投げても返らない、言葉のボール。
(いつまでも/笑顔は心に焼きついて/いなくなったという事が/締め付ける。)
しなびた野菜
お玉一杯分のだし汁
開けることの出来なかったうどん玉
ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。
明日も、一人で座る椅子。
「おいしい。」と言えぬ寂しさを抱え
今日もひとりで
手を合わす・・・・。