たった
瑞海



流れる水の音を聞いたり
冬の朝の空を見たりするのは
どうしてでしょう

私たちが常々変わることを
私たちは知っているから
かもしれないね

世界でたった1人のために
たった1人のあなたのために
歌える歌があったなら
きっと恥ずかしくて
胸の内にそっとしまうでしょう

いつかその時が来たら
耳打ちして教えてあげる

辛く悲しく暗い風が吹いても
海の水が目からこぼれ落ちても
いつか引き潮のように
流れて消えてゆくのです

たった1人のための
大きな世界に降り立った光
小さくても
それはそれで良いと
今は思う

青い海に君は立った
私はもがき 走った



自由詩 たった Copyright 瑞海 2015-02-07 20:50:24
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