汚れたこころ
中村 くらげ

汚れたところを

柔らかいスポンジで優しく

洗っても洗っても

濁った色をして

落ちないから

固いたわしでごしごしと

擦っても擦っても

こびりついたまま

おかしいな いつの間に

こんなに汚れてしまったの

どれだけやっても消えないから

不思議に思いよく見ると

それは小さな傷でした

綺麗でいようと思うほど

その傷は広がって

無数の小さな擦り傷が

やがてヒビになっていく

汚れたこころはじんわり痛み

優しい歌も聞こえなくなって


それでも涙が透明で

奥底は透き通っているのなら大丈夫

傷が癒えるのは時間がかかるもの

それに気付いてそっと触れると

ほんのりあたたかいのでした


自由詩 汚れたこころ Copyright 中村 くらげ 2015-02-04 20:52:04
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