しろい息
衣 ミコ


二月の夜空から零れ落ちる
無数の星影が
か弱い肩に降り積もり
窒息してしまう前に
宙に投げ出された
誤解を掻き集めて
真実の結晶を作り上げたら
きみの冷えた心臓と取り替えて
遠くあたたかな場所へと
逃がしてあげるから
しろく絶え絶えの息も
微睡みの中の譫言もぜんぶ
清明のせせらぎが聞こえる
それまで寄り添っていよう
離れ離れにならないように
互いの息が感じられるくらい
近く


自由詩 しろい息 Copyright 衣 ミコ 2015-01-31 18:11:59
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