夢見るキャベツ
そらの珊瑚

外葉をめくったら
白い小さな亀がい
て、脱皮直後の未
防備ゆえのその純
真な甲羅にしばし
じいっと魅入る、
命あるものはみな
平等にそんな生ま
れたてがあった。
キャベツ、それは
花に似た天体。け
れども花には成れ
ない、だからひと
すじなわではいか
ず、ゆえに平和が
ていねいにたたま
れたとてもすてき
なところ。
knock、knock、誰
かいますか?
外葉になった内葉
、風邪引いてませ
んか?
幾億枚かさなりあ
うことで生まれる
軋轢や愛しさなど

人が名づけたユー
トピアは、ことご
とく破綻して(し
つつあっても)今
夜わたしは、固い
芯までも柔らかく
煮込む超深鍋でロ
ールキャベツとい
うファンタジーを
作っているし、夢
見ることは誰にも
奪えやしない。
冬のコトコト。


自由詩 夢見るキャベツ Copyright そらの珊瑚 2015-01-31 09:07:49
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