夜の底を流れる黒い川
Lucy


灯りを浮かべ
さざ波を光らせて
夜の底を流れていく
川の色は
本当は血の色かもしれない
あるいはヒトの
暮らしと汚れを溶かし
泥色に濁っているかもしれない
晴れた朝には
青空を映す
澄んだ水なのかもしれない
夜なのでわからない
真っ暗な
黒い流れ

悲しみなのか怒りなのか
それとも侮蔑
冷血な殺人鬼の哄笑なのか
黒い布に包まれた
その人たちの心は見えない
目だけが
憎しみを滾らせて
私たちを睨んでいる



自由詩 夜の底を流れる黒い川 Copyright Lucy 2015-01-27 20:40:49
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