冬 午前11時30分 快晴
nonya
雲ひとつない高笑い
真っ青な永久歯で
空は
高層ビルに喰らいついている
控えめな思い出し笑い
押しつけがましくない暖気で
光は
目抜き通りを撫でている
束の間の微笑み返し
風が居眠りしている間に
人は
意識の端を少しだけ拡げようとする
午前11時30分
百貨店のショーウインドーの前
冬が
うっかりまどろんでいるから
口角をわずかに上げて
震えるスマホをそのままにして
もうしばらく待たされるのも
悪くない
自由詩
冬 午前11時30分 快晴
Copyright
nonya
2015-01-24 09:43:23