マイOS
梅昆布茶
僕のオペレーティングシステム上では
翻訳されがたい世界や言語
壁伝いに手探りで歩いて行ければ
いつか切れ目にゆきあうだろう
なにかが融合するところまでは歩かなければならない
信号も横断歩道も街路さえももちろんmapなんて無いまま
内部から発熱していなければならない
絶対零度の宇宙で生きて行く為には
脳科学では解明されないこころという場所にたどりつきたくて
腕時計をはずし部屋の隅にそっと置く
いつもピントの合わない茶色い金属フレームの
遠近両用眼鏡をはずして
ぼやけた裸の世界と対面する
戦略と拡大のステージは望まない
蝋燭のあかりをたよりにこの部屋のどこかにある
真白き骨格の破片を発掘しにゆこう
捩れた背骨を矯正して
それでも歩いて行けるならそれでいい
時間の果てから世界の果てまで揺れる振り子が
まんなかあたりでたち止まる夕暮れに
ふと柔らかなOSが欲しいと思っただけなのだ