ないんだから
瑞海



髪を切ったの
なんだか鬱陶しくなってしまって

長い方が良いよ、と
言ってくれたあなたのこと
もう覚えてないの
あんなに嬉しかったのに、ね

でも
いつかの香りが鼻を抜けても
泣かなくなったよ
いつかの歌が街を流れても
口づさまなくなったよ
成長したよ

月が照らす涙が
海に流れてゆくと
何もなかったように笑えるの

泣き虫じゃないし
寂しくなんかないんだから
自分で立てるもの
私は強いの
形のないものなんて
信じられないんだから
もうここには
あなたの私 私のあなたは
いないんだから
でも寂しくなんかないんだから

ないんだから



自由詩 ないんだから Copyright 瑞海 2015-01-20 22:34:51
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