いつもの夢
森川美咲

逃げた
触れれば離れられなくなると
知っていたから

逃げながら
あなたが追ってくるのを
感じていた

逃げきれなかったふりをして
中途半端な隠れ方をして
待った

あなたが通りすぎようとして
やがて気づいて
近づいてくる

そこで目が覚める
あなたとは別の人に与えられた
暖かな部屋で
ひとり
いつもの夢

あの日
逃げたのはあなた
追わなかったのは私



自由詩 いつもの夢 Copyright 森川美咲 2015-01-20 13:42:52
notebook Home 戻る  過去 未来