一重の瞼
瑞海

一重の瞼のその奥の
瞳に映る景色は
美しいでしょうか
その中に私
映っていいのでしょうか

まるで毒を飲んでしまったようです
幾分前から苦しいのです
でもこそばゆくて
心地いいのかもしれません

嘘をつくのは簡単です
それを思い込んで
私の“現実”にしてしまうことも

淡い折り紙ビリビリに破いて
一番端の病室から
空へ投げた日に
コロン、と音がして
そこから鼓動がちゃんと聞こえます

扉は重く閉じていて
中には魔物が住んでいて
もうずっと空いていないのです

あなたがノックをするまでは
永遠に眠っていたはずなのに
ふっ、と笑うから
もうどうしようもなくて

この窓から 連れ去られることを
夢みて もう100年




自由詩 一重の瞼 Copyright 瑞海 2015-01-19 01:57:52
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